時間がありすぎ日記

ガムシャラに働いた後、関西で主婦生活に突入。時間がありすぎて途方に暮れているので日々思ったあれこれを。

今期のドラマランキング(自分の中で)

今期はそれなりにドラマを定期視聴していた。観ていたのは下記の作品。

頭についている番号は、出だし1~2話時点での自分の中での評価。

 

①『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(CX)

④『お義父さんと呼ばせて』(CX)

③『ナオミとカナコ』(CX)

②『わたしを離さないで』(TBS)

⑤『家族ノカタチ』(TBS)

 

そして、下記が最終回を終えての自分の中での評価だ。

 

①『家族ノカタチ』

②『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』

③『ナオミとカナコ』

④『わたしを離さないで』

④『お義父さんと呼ばせて』

 

大逆転。惰性で見ているに過ぎなかった『家族ノカタチ』が逆転勝利を飾った。以下、所見。

 

1位『家族ノカタチ』

最初は主人公や上野樹里演じるハナコの性格が鼻についたし、登場人物も設定も無理がある感じがして全く乗り切れなかったのだが、途中から一気に引きこまれた。それぞれの登場人物の事情が明らかになるにつれて、行動にも説得力が出てきたし、ひとりひとりが成長していく様子が丁寧に描かれていて良かった。特に、水原希子演じるハナコの部下役の成長っぷりなどは感動的ですらあった。主人公がイヤなヤツ然としているのに周りに人を呼びよせてしまうことも、ハナコと主人公が惹かれあっていくことも自然と納得できてしまう不思議。『いつ恋』ほどわざとらしくない塩梅でハッとするセリフが散りばめられているのも良かった。結局、このドラマは自分の死期を悟った西田敏行が『息子の住まい』という場所にやってくることから始まり、その場所で様々な人間の様々なドラマが生まれ、最後は『西田敏行の死』と『千葉雄大夫妻の子供/主人公たちのプロポーズという生』が交錯するという、典型的な『グランドホテル』形式の構造をとっていた。清々しい感動をありがとう。

 

2位『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』

素晴らしいドラマだったし、名作だと思う。セリフも映像も考え抜かれていて、毎回泣いてしまった。しかし!『家族ノカタチ』に比べて"やりすぎ感"が否めなくて……結果、2位。あと、晴太が小夏を好いていることに全く共感できず(というか、この2人が要らなかった気がする)。最終回で理由を説明していたが、そのセリフに見合った演技ができていなかったと思う。2人とも。他のキャストは秀逸で、特に西島隆弘はかなり良かった。あそこが嘘くさくなるとイヤな気持ちになりそうだが、根っこは良い人という部分をうまく保ちながら演じていて感心。あとはまあ高橋一生だなあ。圧倒的に上手くて、決して多い出番ではないにも関わらず作品全体に"リアル"をドバドバと注入していた。個人的に1番良かったシーンは、小日向文世に音を紹介するシーン。音の生い立ちを端的に聞き出していくのだが、言外に【"水商売はしなかったのか"という意図を含ませつつ、最終的には認める】という流れをセリフではなく迫力で見事に表現していた。

 

3位『ナオミとカナコ』

正直、ながら見だったので途中までしっかり見ていなかった。しかし、ラストに向けた数回は相当面白かった。2人を追い詰めていく吉田羊をクローズアップすることで、ナオミとカナコに対して完全に肩入れはできないギリギリの匙加減。そして高畑淳子。うさんくさい外人訛りでもリアリティを失わない高畑淳子。やはり、脚本の次に大事なのは演技力なんだなと思い知らされた。

 

4位『わたしを離さないで』

チャレンジングな企画だったし、完成度も高かった。しかし!私は原作を愛しすぎているが故に納得できなかった。特に終盤。"臓器移植のためのクローン人間"という存在自体に、直球で倫理的疑問を投げかけた姿勢がダメだった。原作では、彼らは自分たちの存在を最初から認識していて、ある意味で諦めている。"猶予"という噂を知ることで、ほんの少しの希望を手に入れようとはするのだが、それは自分たちの存在意義自体を問うものではなかった。だからこそ、この作品の設定が持つ倫理的問題がクローズアップされるわけで、この架空の世界では"当たり前になってしまっている"ということの恐ろしさを読者は思い知るのだ。ドラマのように、主人公たちが自身の権利を主張するようになるというのは、まったく別のベクトルだと私には思えてならなかった。役者陣は総じて素晴らしかっただけに残念。

 

5位『お義父さんと呼ばせて』

つまらなかったわけではないのだが、なんというか……ふざけすぎ……かな。渡部篤郎はハジけた演技で面白かったのだが、家族のことにかまけすぎで全く仕事をしない。「いつも仕事優先で家庭のことは母さんに任せっきりだった」と言われているのに、その要素ゼロ。そしてなによりも、遠藤憲一松岡茉優の間に恋愛の気配を全く感じないという説得力のなさ。色っぽさ皆無。こういったコメディ作品では、展開やエピソードが現実離れしていても別に構わないとは思うのだが、この2人の間に性的なものを感じないというのは、致命的ではないだろうか。かといってコメディシーンが爆笑モノというわけでもなく……何とも中途半端な印象だった。

 

以上!次クールは何をみようかなあ。