時間がありすぎ日記

ガムシャラに働いた後、関西で主婦生活に突入。時間がありすぎて途方に暮れているので日々思ったあれこれを。

めちゃイケの三中リストラ騒動に見る"渦の中"と"渦の外"

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正直、どうでもいいとは思っているし、『めちゃイケ』自体あまり好きではない。でも、この流れはやっぱり気持ち悪すぎて、FBやTwitterでこの話題が出てくる度に暗鬱な気分なってしまう。

 

番組を全てチェックしていたわけではないのだが、おそらく流れはこんな感じ。

 

■新メンバーオーディションにて"素人"の三ちゃんが合格。

■本人が芸人を志すようになり、コンビを組んで事務所に所属。

■色々と企画をやらされていたが、リタイアしたりしていた。

■"素人"じゃなくなったらなオーディションをやり直すべきでは?という意見が。

■視聴者投票をしてみたが、結果不合格に。

ナイナイ岡村が三ちゃんの態度の変化などを批判。

■次回の番組に出演するらしいということで、やらせじゃんと批判を受けている。

 

私には、すべてが気持ち悪く見える。そもそも彼が素人だろうが玄人だろうがどうでもいいと思うし(ギャラもらってんだから素人じゃないだろっていう気もするし)、三ちゃんの態度が悪くなろうが、心底ムカつくキャラに成り果てていようが、そんなことは視聴者に一切関係ないと思っている。

 

オリエンタルラジオが『しくじり先生』で話していたように、出演者の態度が問題になって切られたりすることは、普通にあるとは思う。しかし、それを「あいつの態度が悪くなったのでクビにします」と発表してやる番組など見たことがない。だから、ナイナイ岡村が「あいつは上から目線になっていた」などと話したところで、私には悪口を公に言っているようにしか聞こえないし、不愉快でしかない。それが全て三ちゃん復活へのシナリオだったとしても、やり方がゲスすぎて面白くもなんともないとしか思えず、やはり不愉快でしかない。

 

しかし、FBで知り合いが「岡村さんは三ちゃんのことを本当に考えているんだね!」みたいなコメントをしていて怖くなった。皆そういう風に感じていたりするのか?

 

私が見る限り、やはり今回の流れは"イジメ"の構造と同じだ。

 

Aという人間に課題を与え、「できない」と言ったことを糾弾する。ついでに能力が低いこと自体に対しても糾弾する(皆の前で)。そして、加害者自身ではなく、その様子を見ている取り巻き(この場合は視聴者)に、Aの資質を問う(自分では手を下さずに断罪する)。その後、Aの性格についても糾弾し、「いじめられる方が悪い」論を展開する。

 

完璧だ。完璧なイジメだ、実際に本人たちや番組内でどのようなやりとりがあるのかは知らないが(全て出来レースで実際は和気藹々としているのかもしれないが)、視聴者に見せられているものは、完璧なイジメ。実際はイジメが発生しているのに、外面は平和に取り繕っているならまだ分かるが(『なんでも鑑定団』とかね)、逆だからね。実際にイジメがあって、そのまま視聴者に見せているのか、実際はイジメなどないのに、イジメがあるように視聴者に見せているのか、そのどちらかでしかないからね。

 

異常……だと思うのは私だけなんだろうか?冒頭の記事にしても、「視聴者舐めてるってか、ただの詐欺じゃん」「何の為の投票やったんや!」といった反応をしている人の気持ちが分からない。そもそも、異常だから。この流れの全てが、異常だから。完璧なイジメを"面白いコンテンツ"として編集してOAするのも異常だし、それを見て実際に投票したり、ナイナイ岡村の発言に納得したり、復活に憤ったりすること(番組のストーリーに乗っていること)も私から見てみると、異常。怖い。

 

私は小さいころ引っ込み思案で、教室で全く存在感がなかった。からかわれたりイジメられたりすらしない存在。空気。クラスメイトの名前を順番に思い浮かべていったら、最後の3人くらいに入ってしまうようなキャラだった。だから、"クラスの中心"というものに敏感だった。クラスの中心にいるグループと、彼らの周りに渦を巻くように集まるグループ。その渦に入れない私たち。渦の中では、誰しもひどく鈍感になってしまうのが特徴だ。ドッヂボールで好きなメンバーを順番に選んでいくような、"はないちもんめ方式"のメンバー選定がいかに残酷か、とか、「では誰でもいいからペアを組んでください」という指示が出たときに渦の外側の人間がどんな気持ちでいるのか、とか、そういった気持ちを経験したことがないのだから当然なのだが、彼らは頻繁に鈍感さを発揮してくる。それも、全く悪気なく。

 

バラエティ番組を見ていると、常に"渦の中"にいた人たちの存在を強く感じることがある。出演者には"渦の外側組"がいそうに見えても、ほとんどのスタッフは"渦の中"にいたんじゃないかなあと思えてくる。『めちゃイケ』はその最たるもので、昔から私はその雰囲気が苦手だった。今回は、その"渦の中"の鈍感さが極端に発揮された事例に見える。この流れがイジメだということにすら気付いていないか、気付いてはいるけれど「面白い」と思っているか。

 

私にはどうしたって「面白い」なんて思えない。それはやはり私が"渦の外"の人間だからなのだろうか。